テクノロジー

【現役エンジニアが語る自作PCの世界~前編~】目的別・PCの組み方をご紹介します!

概要

こんにちは、ITエンジニアリング部(現デジタルテクノロジー戦略本部)のM.Fです。
新型コロナウィルスの影響により、在宅ワークを導入する企業が増えました。また動画編集や楽曲制作を趣味にする人も多くなり、自宅のPC環境を整えたいという方もいると思います。今回は、自作PCに興味を持っている方向けに、私の自作PCの構成のご紹介と、目的別・自作PCの組み方をお伝えできればと思います。ぜひ、参考にしてください!

※本PCを作成したのは2020年末のため、現在では入手が難しい、あるいは当時とは在庫状況が大きく異なるパーツがございます。参考にされる場合はご留意ください。

自作PCを組んだきっかけ

テレワークが多くなり、自宅という静かな空間で過ごすことが長くなったためか、仕事で使用しているノートPCのファンの音が気になるようになったことがきっかけでした。職場では、人の声やキーボードのタイピング音といった環境音がある程度あったためあまり気になりませんでしたが、自宅では自分の音と自宅の周囲の音しかしないため、次第にノートPCのファンの音が気になるようになっていきました。

そして、一度気になると次第に他のものも目につくようになってしまうもの。しばらくすれば、仕事用PCだけではなく私物PCの音も気になるようになり、別に心の片隅にあった大きなPCが邪魔だなという気持ちも合わさり、せっかくなので新しいPCを組むことにしました。

私の自作PC構成

我が家の自作PCの構成は次の通りです。

メーカー 名称
PC ケース LianLi TU-150WA
CPU AMD Ryzen5 5600X
CPU クーラー Noctua NH-D15 chromax.black
マザーボード ASUS ROG STRIX B550-I
メモリ SanMax SKhynix 製 DDR4-3200 16GB*2 枚
グラフィックスカード Gigabyte GeForce RTX 3060 Ti GAMING OC PRO 8G (rev. 1.0)
システム用 SSD CFD CSSD-M2B1TPG3VNF
データストレージ用 SSD WesternDigital WD Blue 3D NAND SATA WDS100T2B0A
電源 Cooler Master V850 SFX Gold
ケースファン 1 Thermaltake TOUGHFAN 12 2Pack
ケースファン 2 SCYTHE KAZE-FLEX 120mm SLIM PWM

PCを自作するにあたって大切なのはコンセプトです。小さなPCが欲しい、眩しい位に光らせたい、4Kモニターでゲームをしたい、動画編集をしたいなどいろいろあると思いますが、そのコンセプトによって値段や選択できるパーツは大きく変わってきます。当時の私は、「小さくて、あまり光らない、WQHD画質でのゲームも想定した、比較的音が静かなPC」をコンセプトにPCを組みました。

自作PCパーツのお勧め選定方法

自作PCのパーツを選ぶ際、初めての時は何からどういった基準で選べばいいのかわからないと思います。今回は、そういった方向けにどういった順序でパーツを選べばよいか迷った際の考え方について、私なりの考え方をご紹介していきたいと思います。

PCの用途から決める

PCの用途から決める場合、重要になってくるのはCPU、グラフィックスカード、メモリといった性能に直接関係してくるパーツです。

ゲームをしたい

まず用途がゲームの場合は、グラフィックスカードから決めていきましょう。
グラフィックスカードは手持ち、もしくは新規に購入する予定のモニター解像度、もしくは遊びたいゲームによって選ぶべきものが変わってきます。そのため、対象のモニターの解像度と合致するものを選択しましょう。もし、遊びたいゲームが重い処理を必要とする場合はそれより1つか2つランクが上のグラフィックスカードを選びます。合致する解像度については後編で詳しく解説していきます。

グラフィックスカードが決まれば、CPUとメモリの性能も決まります。予算と相談しながら、グラフィックスカードの性能を引っ張らない程度の性能を持ったCPUとメモリを選びましょう。

動画編集をしたい / プログラミングをしたい

動画編集目的の場合は、CPUから決めていきましょう。
高度なAdobe系ソフトを使用して動画編集を行う場合はある程度の性能を持ったグラフィックスカードは必要ですが、趣味程度の動画編集では外付けグラフィックスカードなしでも十分に動画編集をこなせるためです。ましてやプログラミングが目的の場合、機械学習やGPUプログラミングを意識しない限りはGPUが必要となることはほぼありません。基本的にCPUに負荷がかかることになるので、高性能なCPUを搭載してあげるといいかと思います。

CPUが決まれば、次はメモリを決めましょう。
CPUに高い負荷がかかる処理をする場合、必然的に大き目の容量のメモリも必要となります。メモリ2枚合わせて合計で32GBがあれば十分ですが、すべてのパーツを選択した後に予算的に余裕があれば64GBに増やしてもいいかもしれません。

そして最後にグラフィックスカード、これに関してはエントリーモデルのものでも問題ありません。もちろん高性能に越したことはないのですが、昨今の値上がり傾向を考えるとランクを1つ上げるだけで4万円などといった事態になりかねません。

今のところはCPUに予算をつぎ込み、将来的に値下がりが見え始めてから高いものに買い替える、といったことを考慮してもよいかと思います。

3つを決め終えたら

CPUが決まれば、マザーボードのチップセットが定まります。WifiやBluetoothの有無、有線LANの速度性能、PCケースのUSBポート、オンボードDACの品質、フェーズ数などといったマザーボードの機能に関係する項目に特に価値を見出せない場合は、そのまま最安値のものを購入すればよいためすぐ決まるかと思います。

また、CPUが決まっていれば、それを冷却するCPUクーラーも決めることができます。特に静音性にこだわりがなければ付属のクーラーを、こだわりがある場合はCPUのTDP(消費電力や発熱量を表す値)に合わせてお好きなクーラーを選びましょう。

マザーボードとグラフィックスカード、CPUクーラーが決まれば、それらが入るPCケースを選ぶ必要があるのである程度のケースのサイズ感が決まります。ケースのサイズ感が決まれば比較検討もできる程度には絞り込めるかと思いますので、見た目やエアフロー、静音性、2.5インチSSDやHDD搭載数などを考えながらその中から選んで行けるかと思います。

CPUとケース、グラフィックスカード、この3つが決まったら電源を選ぶことができるようになります。基本的には選択したグラフィックスカードの公式サイトに推奨電力容量が記載されているため、その値に従って電源容量を定めましょう。もし高性能なCPUを搭載している場合は、容量を100~200Wは増やしてみてもよいかもしれません。

最後にPCケースの搭載箇所と予算が許す限り、エアフローを考えながらPCケースファンを搭載しましょう。

お気に入りのパーツで組みたい

PCケースやCPUといった、1つのパーツを基準として組みたいといった場合は、そのパーツによってどのパーツを選ぶことができるかを考えて組むことになるかと思います。

一度でも組んだことがあれば難しく考えることなく組めるかと思うのですが、初めて組む場合はどのパーツから選べばよいのか悩むでしょう。どの順番でパーツを選べばよいのか、参考までにかんたんなフローチャートを作ってみたので参考にしてみてください。
(この順番通りにパーツを決めなければならないといった話ではありません。あくまで、決まらない場合の参考程度とお考え下さい)

handmade_pc_1_chart

実際のところは、パーツの在庫や価格の関係で見積もりが終わった後に再度構成を見直すことになることが多いので、余力があればある程度パーツごとに第2第3候補までは考えておいた方が良いかと思います。特にマザーボードについては、第1候補として選んでいたパーツが値上がし第2候補が値下がりする、高速なSSDの価格が安く手に入ったのでチップセットを上位のものにする、などといったことが原因でパーツ変更を検討する機会が稀に起こるので、第2候補くらいまでは検討していてもよいでしょう。

次回は、各PCのパーツについてご紹介!

自作PCでは、PCケース・CPU・メモリ・マザーボード……など多くのパーツで構成されます。次回は各パーツごとにオススメの選び方をご紹介できればと思います。

【現役エンジニアが語る自作PCの世界~後編~】各パーツのおすすめ選び方

※本記事は2021年10月時点の内容です。

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