2026/07/10

テクノロジー

Google Cloud Next ’26 参加レポート

この記事の目次

    はじめに

    デジタルテクノロジー戦略本部 AI戦略室 AIソリューション部 データサイエンス1課のN.Rです。

    2026年4月22日から24日にかけてラスベガスで開催された Google Cloud Next '26 に参加してきました!

    本記事では、今年のNext で注目を集めたテーマのひとつである「Gemini Enterprise Agent Platform」 について紹介します。

    Google Cloud Next '26 ってどんなイベント?

    Google Cloud Next は、Google Cloud が主催する年次テックカンファレンスです。世界中のエンジニアや企業関係者が集まり、クラウドの最新動向や新しいプロダクト・技術が発表される一大イベントとして知られています。
    イベントの幕開けを飾る Keynote では、Google のリーダー陣による重要な発表や大規模なデモが行われ、会場は大盛り上がりでした!

    今年は 2026年4月22日〜24日 の3日間、ラスベガスの Mandalay Bay Convention Center で開催され、今年のテーマは 「The Agentic Era(エージェント時代)」。AI が「会話するツール」から「自律的に行動するエージェント」へと進化したことを象徴するイベントでした。

    3日間のプログラム構成

    各自聞きたい講演を事前に予約して、いろんな情報収集することができます。
    Next は単なる講演イベントではなく、多様な形式のプログラムで構成されています。

    プログラム概要
    Keynoteイベントの方向性を決める基調講演です。CEO Thomas Kurian 氏による Opening Keynote と、エンジニア向けの Developer Keynote を含む計3本が行われました。新プロダクトの発表や大規模デモが披露される、まさにイベントの「顔」です。
    Spotlight特定テーマを深掘りする中規模セッションになります!
    Breakout SessionAI・データ・セキュリティ・インフラなど幅広いテーマをカバーし、Q&A で登壇者に直接質問もできます。
    Workshopハンズオン形式の実践型セッションです。Googler やパートナー企業の開発者から直接指導を受けながら手を動かせます。人気なので、予約が取れないです!
    Discussion少人数のラウンドテーブル形式です。参加者同士で特定テーマについて議論する感じです。
    Solution Talkあらかじめ設定された課題に対して Googler が解決策を順を追って解説するセッション。実践的なアーキテクチャの参考になります。
    Lightning TalkDeveloper Theater で行われる約20分の短時間デモ。最新トピックをサクッとキャッチアップできます。
    Expoスポンサー・パートナー企業が出展する展示エリアです。最新プロダクトのライブデモを体験したり、エキスパートに直接相談できます。

    Keynote はオンラインでもライブ配信されますが、Workshop で Googler に直接質問したり、Expo で最新デモに触れたり、Discussion で他の参加者と議論できるのは 現地参加ならではです。

    私は、Workshopに一番参加したかったのですが、予約がとれず、Keynote、Spotlight 、Breakout Sessionをメインに参加してました!

    今回は、Keynoteで発表された、 Gemini Enterprise Agent Platformについて紹介します!

    Gemini Enterprise Agent Platform とは

    従来の Vertex AI から名称変更され、エージェント開発者向けの統合支援プラットフォームとして生まれ変わりました。
    まさか名称変更されるとは、気に入っていたので少し寂しかったです。。。

    Agent Platform は以下の 4つの柱 で構成されています。

    役割主なサービス
    Buildエージェントの開発ADK / Agent Studio / MCP
    Scaleエージェントの実行・スケールAgent Runtime
    Govern認証・アクセス制御Agent Registry / Agent Gateway
    Optimize監視・可観測性Agent Observability

    開発から運用まで、エージェントのライフサイクル全体をカバーする構成です。
    Vertex AIの時は、MLモデルも扱う感じでしたが、一気にエージェントのツールに振り切った印象を受けました!

    エージェント開発の選択肢 — ADK と Agent Studio

    エージェントの開発手法は コードベース と ローコード の2種類が用意されています。

    Agent Studio(ローコード)

    Agent Platform 上の UI で開発できるローコードツールです。
    自然言語で入力するだけでエージェントを開発できるようになりました!
    作成したエージェントのコードも見れるので、コードを書く人にとってもありがたい仕様になっております。
    現在プレビュー版で、機能が後日追加な部分がありますが、これからの機能追加に期待です!

    Agent Development Kit(コードベース)

    Python・Java・Go・TypeScript の 4言語 に対応し、詳細なカスタマイズが可能な開発キットです。本格的にAIエージェントを開発するなら、ADK ** の方が優れています。
    今回、
    ADK 2.0** がベータ版でリリースされました。2.0からグラフベースのエージェント設計ができるようになり、条件分岐などに対応可能になりました。現場でエージェントを扱うためには必要な構造です!

    エージェントの実行基盤 — Agent Runtime

    エージェントの実行環境は 3種類 用意されています。

    実行環境特徴適用シーン
    Agent Runtimeエージェント特化のマネージド環境。最大3,000エージェント同時実行、最大7日間の長期実行、Memory Bank標準搭載本番運用・大規模デプロイ
    Cloud Runコンテナベースの汎用実行環境カスタムランタイムでの柔軟なデプロイ
    GKEKubernetes基盤。GPU対応やカスタムネットワーク構成が可能大規模オーケストレーション

    中でも Agent Runtime は、最大3,000エージェント同時実行、最大7日間の長期実行と、長時間稼働もできる環境になっており、現場でエージェントを稼働させるための環境といった印象を受けました!
    また、セッション管理・Memory Bank等のメモリ系も標準搭載されている点はすごく驚きました。エージェント専用のDBとかを別で作らなくていいのは、手間が省けますね。

    Memory Bank — エージェントの長期記憶

    個人的に、今回のイベントで 最も注目した機能 が Memory Bank です。

    セッション機能との違い

    セッション機能と何が違うのかというと、用途も少し違いますが、
    セッションが短期記憶とMemoryBankが長期記憶のイメージでした!

    比較項目セッション機能Memory Bank
    記憶の範囲単一セッション内の会話のみセッション横断で永続的に保持
    保持期間セッション終了時に消失長期的に保持・蓄積
    主な用途会話中の文脈維持ユーザーの好み・ビジネスルールの学習

    デモで見た活用例

    Next の会場では、服のレコメンドエージェント のデモが印象的でした。
    ユーザーの好みの色や嫌いな色を Memory Bank に保存することで、次回以降は何も説明しなくても、好みが反映されたレコメンドが自動で生成されていました。

    これは パーソナライズ AI エージェント 実現の鍵になる機能だと感じます。

    Govern & Optimize — エージェントの統合管理

    エージェントを本番運用するうえで欠かせない、
    セキュリティ・ガバナンス・可観測性を統合した管理基盤も発表されました。

    機能特徴ステータス
    Agent Registryエージェント・MCPサーバー・ツールの統合カタログPreview
    Agent Gatewayトラフィックや権限、アクセス制御Preview
    Agent Observabilityエージェントの挙動の可視化・追跡Preview

    認証・登録・通信制御からパフォーマンス監視まで、包括的な運用管理が実現できる構成になっています。
    エージェントの本番運用となると、運用構成や、監視の仕組みが重要になってくるので、ここら辺の機能については、社内でも知見を深めていきたいですね!

    まとめ

    今年の Google Cloud Next は「AIエージェントを現場へ」というメッセージが
    全体を貫いており、開発・実行・管理の各層で具体的なツールが揃ってきた印象です。

    特に印象的だったのが、Memory Bank によるパーソナライズの可能性です。
    デモでは、ユーザーの好みをエージェントが継続的に記憶し、次回以降の提案に自然に反映する様子が紹介されていました。単発の会話にとどまらず、パーソナライズした提案ができるような仕組みは、興味が湧きました!

    一方で、こうしたエージェントを実際のプロダクトとして運用していくためには、開発だけでなく運用面の設計が重要になります。エージェントが業務の中核に入り込んでいくほど、これらの運用基盤の重要性はさらに高まっていきます。だからこそ、単に新しい機能として捉えるのではなく、実運用を見据えた技術として理解を深めていく必要があると感じました。

    今後は、こうした運用構成や監視の仕組みについても社内で知見を蓄積しながら、どのように自社サービスへ適用できるかを具体的に検討していきたいと考えています!

    来年行く人へ

    講演を聞くのも楽しいですが、手を動かすのも楽しいと思うので、ぜひWorkshopに参加して欲しいです。また、講演を予約せずに、Expoを見て回り、今回発表された機能を間近で見れるブースがあり、社員に近い距離で質問できるのでこれもイベントの楽しみ方の選択肢の一つだなと思いました!
    ぜひ、来年のイベント参加の参考にしてください。

    初めてラスベガスに訪れたのですが、やはり印象的なのが華やかな街並みでした!
    今回の滞在中に訪れた有名な「ベラージオ」では、噴水ショーを見ることができました。
    昼間はカンファレンスで最先端のテクノロジーに触れ、夜はこうしたエンターテインメントを体験できるのも、ラスベガス開催ならではの魅力だと感じました!

    最後までお読みいただき、ありがとうございました!

    ※本記事は2026年07月時点の情報です。

    著者:マイナビエンジニアブログ編集部