テクノロジー

既存業務システムの約700件のテストコードを3ヶ月で実装したときの話

はじめに

皆さん、こんにちは。ITディベロップメント1部のS.Tです。

この記事では、私がベトナムの協力会社と協業で、弊社の既存業務システムの約700件のテストコードを3ヶ月で実装したときの話を紹介しようと思います。

背景

この案件が発生した経緯について説明します。

過去に、とある事業部の業務システムを内製し、保守運用をしていました(PHP,Laravelを使用)。 そのシステムは、開発当時はスモールスタートかつスピード重視だったため、テストコードを書いていませんでした。事業部の成長と共にシステムが拡張されていく中で、既存のPHP,Laravelのバージョンでは限界があり、アップデートの必要性が高くなっていきました。

しかしシステムの規模的に、バージョンアップをしたとしても不具合が頻発する危険性があります。そこで、テストコードを作成し、ソースコードの品質を担保する必要があるという話になりました。
 
ただ、一つ大きな問題がありました。それは、システムの規模が大きくなりすぎてしまったため、当時の社内のリソースだけで開発を進めると時間がかかり過ぎることでした。

そこで白羽の矢が立ったのが、当時丁度提携したばかりのベトナムの協力会社N様でした。

開発の流れ

協力会社N様と協力して開発を進められることになりましたが、その前に弊社の方で協力開発のための準備をする必要がありました。
具体的には以下の準備を行いました。

  • テストを実行できる環境を用意
  • 開発スケジュールの決定
  • 協力会社N様との連携方法の決定

テストを実行できる環境を用意

弊社でPHP、Laravel のテストコードについての技術調査を行い、どのメソッド単位でテストを行うかを決定し、実際に自らテストコードを書いてみたりしました。

開発スケジュールの決定

これに関しては、開発の工数を大まかに見積もり期限を設けました。また、テストのチェック内容を定義し、協力会社N様が何を実装すれば良いのかを明確にしました。

協力会社N様との連携方法の決定

週に一度協力会社N様とのオンラインミーティングを行い、お互いの進捗確認をしました。また、仕様の確認やソースコードのレビューに関しては、SlackとGitHub上で英語で行うことになりました。

補足

先ほど英語でやりとりをするとの話がありましたが、当時非常に不安だった記憶があります。というのも、システムの仕様が複雑な部分の細かいニュアンスをうまく伝えられないのではないかや、先方の質問にうまく英語で答えられないのではないかと考えていたからです。

実際には、オンラインミーティングでは先方に通訳の方がいたため、日本語でコミュニケーションを取ることができました。また、SlackとGitHubでのやりとりではGoogle翻訳などのツールを活用したことで、比較的スムーズに連携ができました。

実際の開発

事前に準備した内容をもとに開発がスタートしました。開発の流れとしては、週一回の定例会で先方の2週間分のタスクとその進捗、弊社のレビュー状況を確認するといった流れで進めていきました。開発自体は滞りなく進められてはいましたが、実際に開発が始まると想定外の事態が起きるものです。今回の場合は、以下2点が特に印象に残っている想定外の事態です。

  • 技術的な提案を先方の方からしてくれる
  • 先方の開発スピードが速すぎてレビューが追いつかない

技術的な提案を先方の方からしてくれる

これに関しては、弊社としても非常に助けられました。結果的に提案していただいた内容の多くを採用し、開発速度を加速させることができました。

先方の開発スピードが速すぎてレビューが追いつかない

これは完全に弊社側のリソース不足が原因だったのですが、先方の開発スピードが速すぎて、レビューがどんどん溜まって行く事態が発生してしまいました。この事態を解消するために、しばらくレビューばかりしている時期もありました。笑

二つとも良い意味での想定外で、こういった要因もあって最終的に、あらかじめ設定していたスケジュール通りに開発を終えることができました。

まとめ

上記のように、当初不安に感じていた英語でのやりとりも問題なく行うことができ、先方からの提案や想定外の開発スピードのおかげもあり、結果として表題にあるように、約700件のテストコードを3ヶ月で実装することができました。

終わりに

以上、ベトナムの協力会社と共に約700件のテストコードを3ヶ月で実装した話でした。
私自身も、初めて海外の方と仕事をするということもあり、不安に思うことも多かったですが、先方の通訳の方とGoogle翻訳に助けられ、なんとか完遂することができました。

英語での会話はできなくても、読み書きが最低限できれば問題なく業務遂行ができることはわかりましたが、次回同じような案件にアサインされた際にもっとスマートに格好よく業務遂行できるように、英語の勉強をしっかりしようかなと思った次第です。笑

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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