2026/09/25

インタビュー

9職種28名がプロダクト開発を共に学び、共通言語を育む。デジ戦26卒研修の裏側(前編)

この記事の目次

    2026年4月、マイナビのデジタルテクノロジー戦略本部(以下、デジ戦)に配属された新卒社員、9職種28名。彼らが取り組んだのが「職種を問わず全員がプロダクト開発を理解し、共通言語を持つ」ことを最終ゴールに掲げて行われた約4か月の研修です。

    約4か月にわたる研修を通じて、新卒社員たちはさまざまな学びを得ながら、大きく成長しました。

    そんな同研修に昨年から携わっている井藁さんと金田さんに、企画の詳細や、研修に込めたメッセージなどをインタビュー。
    今回は前編として、研修全体の概要や、企画をするうえで苦労したこと、研修を終えた今感じる手応えなどをお届けします。なお、後編では、同研修の集大成ともいえる「開発演習」について詳しくご紹介します。

    プロフィール

    井藁 正紀(写真右)
    デジタルテクノロジー戦略本部 IT企画推進統括本部 EX推進統括部 EX推進1部 組織開発1課

    金田 楓佳(写真左)
    デジタルテクノロジー戦略本部 IT企画推進統括本部 EX推進統括部 EX推進1部 組織開発1課

    「全員がプロダクト開発を理解する」カルチャーが、デジタル組織の土台をつくる

    ──まずは、デジ戦の26卒研修の概要やポイント、設定したゴールについて教えてください。

    井藁:2026年4月、デジ戦に新卒で配属された28名を対象に、26卒研修を実施しました。対象となるのは、エンジニアやデザイナー、マーケター、データサイエンティストなど、それぞれ異なる専門性を持つ9職種の新卒社員です。
    新卒社員が組織文化や業務にスムーズに適応し、現場で活躍できる状態になることをゴールに研修を企画。マイナビ全体で行うビジネスマナーやマインド、会社理解に関する研修から始まり、約4か月にわたって研修に取り組みました。
    その中で、デジ戦や事業への理解を深める「デジ戦研修」、IT/Webの基礎を身につける「IT/Web研修」、実践的な「開発演習」の3つを軸に学びました。最後には、「成果発表会」として、350人以上の観覧者がいるなかでの発表も行いました。外部の研修会社と連携して実施する研修と、デジ戦内で企画・運営する内製研修の両軸で構成しているのも特徴です。

    金田:私たちが大切にしているのは「職種を問わず全員が開発に関する共通言語を持つ」ことです。これは以前からデジ戦の新卒研修における考え方として引き継がれてきました。
    マイナビはさまざまな事業を展開していますが、基盤となっているのはシステムやWebサービスです。そのため、ITエンジニアのみがシステムを理解している状態では不十分だと考えています。
    社内のデジタルを担う組織として、マーケターやデザイナーなどエンジニア以外の職種であっても、まずは基盤となるシステム開発の考え方を理解する。この姿勢こそが、業務の円滑化や組織全体の方向性の理解につながると考えています。

    ──おふたりは昨年の研修も担当されたそうですが、変わらない考え方もあれば、ブラッシュアップされた部分もあるかと思います。そのあたりはいかがですか?

    金田:新卒社員自身が研修運営を担う仕組みと、開発演習は昨年から引き継いだ要素です。研修は新卒社員にとって大切な業務の一部だからこそ、受け身になるのではなく、私たちと一緒に創り上げていくものだと捉えてほしいと伝えていました。
    たとえば、勤怠の報告や提出物の管理方法を自分たちで考えたり、必要に応じて社内ツールを活用して自動化の仕組みを構築したりすることも、新卒社員自身に任せていました。実際に運営する立場を経験することで、業務への向き合い方や主体性を身につけてほしいという狙いがあります。

    昨年研修に参加した25卒の皆さんから「あの研修を経験したおかげで、現場でうまく立ち回ることができた」という声をもらい、今年も継続することにしたんです。開発演習については後編で詳しくお話ししますが、昨年より実務に近い経験ができるよう、ブラッシュアップした形で企画を進めました。

    井藁:今年の大きな変化はAIです。AIはこの1年間でもすさまじい進化を遂げました。開発現場でもAIの活用が急速に進み、仕事の進め方そのものが大きく変化しています。そのような環境変化のなかで、人だからこそ発揮できる価値は何か、またAIをどのように活用していくべきかを考えてもらう機会を設けた点が大きな違いです。

    金田:AIに関しては、「学生時代からAIを使って開発をしていて、できる気になっていたものの、自分の力だけでやろうとしたらできなかった」というつまずきを経験した人も少なくなかったようです。そこから、まずは土台となる知識や技術をきちんと習得する重要性を実感してもらえたのではないかと思います。

    技術力とともに不可欠な、コミュニケーション力と巻き込む力

    ──研修を企画するうえで苦労したことはありますか?

    金田:この研修を受けた28名のなかには、学生時代から開発を学び手掛けてきたという人もいれば、今回初めて学ぶという人もいました。知識や経験に差があるなかで共通研修を行い、一定のレベルまで成長してもらう必要があるので、難易度設定にはとても頭を悩ませましたね。研修会社の方にも一緒に考えていただき、経験が少ない人には補習を実施するなど、重点的にフォローできるような工夫を凝らしています。

    そのなかで驚いたのが、学生時代から経験がある人たちが、勉強会を開いたり、資料を作成したりと自主的に動いてくれたことでした。教える側からは「知識として知っていることでも、自分のなかでかみ砕き、相手に合わせて言語化することで成長できた」という声が聞かれています。また教わった側からは「この同期がいなければ乗り越えられなかった」という声が寄せられており、研修を終えた今でも、強い絆で結ばれているように感じられます。
    そういった関係性が築けたことは、とてもうれしい成果のひとつです。とはいえ、研修の難易度設定には今も課題があると思っているので、来年の研修にも活かしていきたいと考えています。

    井藁:金田さんと同様、難易度設定には非常に苦労しましたし、今も課題のひとつだと感じています。今回の研修では、経験のあるメンバーが勉強会を開くなど、教え合う場面も多く見られました。
    そこで私からは「相手に合わせた言葉選びや話し方をするとよい」とアドバイスを送りました。知識や経験が異なる相手に何かを伝えるには、相手の理解度に合わせて言葉を選ぶことが大切だからです。
    デジ戦ではさまざまな職種のメンバーと連携しながら仕事を進めるため、相手に合わせてコミュニケーションを取ることが重要だという共通認識があります。

    ──研修を通して新卒社員に伝えたかったメッセージはどのようなことでしょうか?

    金田:これまでの話にも通じる部分ですが、デジ戦で働くうえで専門的なスキルと同じくらい大切にしているのがコミュニケーション力だと思っています。
    デジ戦内で異なる職種と協業するのはもちろん、他事業部の社員など、さまざまな立場の人とコミュニケーションを取りながら業務を進めることが多々あります。専門分野やITに関する知識・経験が異なる人たちに情報を発信し、周囲を巻き込みながら仕事を進める力は、デジ戦で働くうえで欠かせません。それも研修を通じて特に伝えたかったことのひとつです。

    井藁:学び続ける必要性はキーワードのひとつです。AIの普及によって、もしかしたら現段階で予想している以上に働き方が大きく変わる職種もあるかもしれません。そのなかで、ひとつのやり方に固執せずに、学び続けることは新卒社員のみならず、働く私たち一人ひとりに必要なマインドだと考えています。

    「教わる」立場から「自ら創る」存在へ。それぞれが大きく成長

    ──研修を終えた今、感じる手応えや新卒社員の成長について教えてください。

    金田:技術的な面はもちろんですが、各自が人間性の部分でも大きく成長した姿を見せてくれました。新卒とはいえ、これまでの人生で培われた価値観を変えるのは容易なことではないはずです。それにもかかわらず、フィードバックを受けたり、自分で気付いたりしながら、実際の行動にまで落とし込めたことは本当に素晴らしく、感銘を受けました。
    さまざまな学びや、時には衝突を通して、最終的には自分たちで何をするのかを考え、議論し、前に進む姿が印象的でしたね。私たちが目指していた「現場で活躍できる人材」の土台づくりができたという手応えを感じています。

    井藁:当初は全体的に「教わる」という姿勢が強かったように思いますが、研修の最後に行った成果発表会では、350人以上の観覧者がいるなかで、それぞれが堂々と自分自身の役割を果たし、結果を出してくれました。
    学び続ける必要性を理解し、自ら行動し、より良いものを創ろうという意志を強く感じましたね。しっかりと成長した彼らのこれからが楽しみです。

    今回の研修の集大成ともいえる「開発演習」の内容や、その裏側については後編でお伝えします。

    ※研修を受けた新卒社員自身の視点から見た4か月の学びについては、こちらの記事でも紹介しています。
    2026年度新卒研修を振り返る。配属までの4か月で学んだこと | マイナビエンジニアブログ

    ※本記事は2026年09月時点の情報です。

    著者:マイナビエンジニアブログ編集部