9職種28名がプロダクト開発を共に学び、共通言語を育む。デジ戦26卒研修の裏側(後編)
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2026年4月、マイナビのデジタルテクノロジー戦略本部(以下、デジ戦)に配属された新卒社員、9職種28名。彼らが取り組んだのは、「職種を問わず全員がプロダクト開発を理解し、共通言語を持つ」ことを最終ゴールに掲げて行われた約4か月の研修です。
前編では、同研修に携わる井藁さんと金田さんから伺った、研修全体の企画の詳細や研修に込めたメッセージなどをお伝えしました。
後編では研修の集大成でもある「開発演習」についてご紹介します。より実務に近いスタイルで行われた開発演習の狙いや工夫、そして新卒社員たちの成長についてお届けします。
プロフィール

井藁 正紀(写真右)
デジタルテクノロジー戦略本部 IT企画推進統括本部 EX推進統括部 EX推進1部 組織開発1課
金田 楓佳(写真左)
デジタルテクノロジー戦略本部 IT企画推進統括本部 EX推進統括部 EX推進1部 組織開発1課
より実務に近い形での開発体験が、現場で活躍するための起点に
──「26卒研修」の集大成でもある「開発演習」の目的や概要を教えてください。
井藁:研修の前半で行った「デジ戦研修」や「IT/Web研修」では、デジ戦や事業への理解を深めたり、プロダクト開発の基礎を学んだりしました。一方、後半に実施した「開発演習」は、それらの学びをもとに、「サービスをつくるとはどういうことか」を、実務に近い形で体験してもらうことを目的としています。
マイナビでサービスをつくるうえでは、単に技術力があればよいというわけではなく、さまざまな職種やバックグラウンドを持つ人たちと協業するスキルも欠かせないのです。だからこそ、配属後の早い段階から活躍できるよう、研修中に協業のプロセスを体験する機会を設けました。
具体的には、7名ほどのチームに分かれ、開発を行うだけではなく、メンバー同士で議論を重ねながらサービスをつくり上げる過程を経験してもらう内容です。最終的に行った成果発表では、それぞれが堂々としたプレゼンテーションを行う姿が印象に残っています。
金田:昨年の25卒研修から、マイナビのサービスを題材にして、チームで取り組む開発演習を開始しました。ただ、昨年は事業部側との連携を前提とした設計ではなかったため、今年はより現場の皆さんに関わっていただきながら、実務に近い形で開発演習を実施しました。実際の事業課題やサービスの運営実態に触れ、それらを踏まえながら開発演習に取り組んでほしいという狙いがありました。
今回は、『マイナビ転職』と『マイナビクリニックナビ』にご協力をいただき、「課題分析、企画、設計、実装、レビュー」を繰り返しながら、チームで開発を進めていくという流れでした。担当するサービスについては、本人たちの希望や適性を見て私たちがそれぞれのチームに割り当てています。
また、レビューフェーズでは、事業部の皆さんにフィードバックをいただき、それらを踏まえながら改善を重ねていくことで、より実務に近い形で取り組んでもらうことができました。

──数あるサービスのなかから、マイナビ転職と、マイナビクリニックナビを題材に選んだ背景についてお話しください。
井藁:マイナビ転職は長年運営されてきたサービスで、多くの方に利用されてきました。そこには、長年の運営で蓄積された知見も数多くあります。一方、マイナビクリニックナビは、比較的新しいサービスのため、成長フェーズならではの課題を抱えていました。
このようにフェーズも特徴も異なるサービスを題材にすることで、新卒社員が学べることも増えるのではないかと考えたんです。実際に新卒社員は、それぞれが担当する事業部の皆さんから話を聞いたり、レビューを受けたりするなかで、多くの気づきを得ていたようでした。
──事業部側との調整で苦労したことはありましたか?
金田:今回は研修ということで、事業部の皆さんにどこまで協力を仰ぐか、また、どこまで事業部内の情報を開示してもらうかという線引きにはとても苦労しました。より実務に近い経験をしてほしいと思う一方で、確保できる時間には限りがあります。情報量と時間のバランスを取るのがとても難しかったですね。
ただ、実際に演習が始まってからは、事業部の皆さんが非常に高い熱量で新卒社員と向き合ってくださり、スムーズに進行できたと思います。関わってくださった事業部の皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
“決まりきった正解”がない開発演習が、自ら考え抜く力を引き出す
──「開発演習」の設計や企画の工夫について教えてください。
金田:私たちは必要以上に介入せず、「自分たちで考え、乗り越える」経験を積むことに重点を置きました。もちろん、研修の運営上必要なフォローは行いましたが、大切なのは正解を教えるのではなく、正解に至る過程をサポートすることです。たとえば、先輩社員への相談時間を延長したいという相談があった際も、すぐに答えを出すのではなく、なぜそのルールを設けているのかを説明したうえで、自分たちで考え、交渉するように促しました。
自分たちの力で課題を乗り越え、成果につなげる経験は、その後のキャリアにも良い影響を与えるはずです。そうした経験を入社後の早い段階で積めることには大きな意味があると考え、大事にしています。
井藁:工夫した点は、あらかじめ用意された正解を探すのではなく、自分たちで最適解を導き出す課題を用意したことです。実際の業務では、課題や要件が整理された状態で渡されることばかりではありません。相手の話を聞き、背景を理解し、関係者と認識を合わせながら進めていく必要があります。
今回の開発演習でも、実際に事業部があるオフィスへ赴いて話を聞き、チームで課題や方向性を話し合い、施策案を提案し、事業部の皆さんにフィードバックをいただくプロセスを繰り返しながらゴールを目指しました。
チーム内での意見調整や役割分担を通じて、彼ら自身が考える「正解」や「成果」をつくり上げる体験をしてもらいたかったのです。
──「開発演習」を通して成長した新卒社員のエピソードを教えてください。
井藁:私たちデジ戦側や事業部の皆さん、研修会社の講師の方からそれぞれ率直なフィードバックを受けたり、曖昧な情報を整理したり、役割分担の偏りに直面したりするなかで、壁にぶつかったチームもありました。時にはメンバー同士で意見が対立する場面もありました。しかし、そうした経験を経て、新卒社員の視点が目の前の自分の作業から、チームやサービス全体へと広がっていく様子に大きな成長を感じました。
金田:実際の業務でもよくあることですが、デジ戦側と事業部側から異なる意見やフィードバックを受けるケースもあります。そんなときこそ、自分たちで考え、どうすべきかをしっかり検討することが大切です。開発演習が始まったばかりの頃は、デジ戦と事業部の間に挟まれ、堂々巡りをしていたチームが、何度目かのレビューでは、自分たちの考えを明確に伝えられるようになっていました。その変化がとても印象に残っています。
成果発表会では、事業部の皆さんから最終フィードバックもいただきました。もちろん課題もありましたが、寄せられた多くの前向きな感想は、彼らの成長の証だと思っています。

今年の“成果”や“課題”を来年の成長につなげる。進化し続ける新卒研修
──27卒の新卒研修に向けて、今の段階での抱負を教えてください。
井藁:AIの進化を含め、1年後には業界自体が大きく変わっているでしょう。それに伴い、カリキュラムの内容などもブラッシュアップする必要があります。来年はよりAIの活用を前提とした内容になるのではないかと思います。
また、今年の研修を終えて、それぞれのバックグラウンドによって、適切な難易度や学び方が異なることも改めて実感しました。来年はそれぞれがより成長できるような研修にしていくことが目標です。
一方で、自ら学び、コミュニケーション力を磨き、それらを発揮して周囲を巻き込みながら価値を生み出すことは、研修内で変わらず大切に伝えていきたい部分ですね。
金田:変化する状況に応じたブラッシュアップについての考えは、井藁さんと同様です。
加えて、人の成長やキャリア形成を支援するサービスを数多く展開しているマイナビだからこそ、この研修もデジ戦の中だけに閉じた取り組みにはしたくないと考えています。
一組織の研修ではありますが、試行錯誤しながらより良い育成の形をつくり、その過程で得られた学びや知見を発信していくことで、他事業部やマイナビ全体、さらには社外に対しても何らかの価値を還元できるような取り組みにしていきたいと思っています。

※開発演習に取り組んだ新卒社員たちの視点については、こちらの記事でも紹介しています。
26卒の新人が挑む!プロダクト開発。 | マイナビエンジニアブログ
※本記事は2026年09月時点の情報です。