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広告会社から事業会社のWebマーケに転職|隣の芝生は青い?は本当か

あるSEMコンサル「社会人になって3年が経つし、そろそろ転職考えようかなー。でも次の転職先はどこがいいのだろう。今いる広告代理店でキャリアを伸ばしていくべきか、事業会社で働くべきか。」

このような疑問にお答えます。

 このページでは、Webマーケターとして将来どのようなキャリアを進んでいくか悩んでいる方に対して、数あるキャリアパスの中でも、広告会社から事業会社へ転職して感じていることをお話します。

 執筆した背景としては、Googleでこの類の記事を探そうとすると「メリット」ばかりがフォーカスされた記事をよく目にします。

 そのためなのか、過去の面接の場で、事業会社に対するWebマーケティングに対する認識のギャップを幾度となく感じてきました。

 ありのままを伝えるので、「デメリット」ではないという点、予めご了承ください。

 また、広告会社、事業会社それぞれの働き方ややりがいは、一長一短あると思います。どちらが良い悪いではなく、ひとつのキャリアパスとして参考にしていただければ幸いです。

この記事を書いた人+++++++++++++++++++++++
大学時代にWebマーケティングと出会い、興味本位でブログを開設。アフィリエイト広告を通じて、インターネットの面白さ、将来性を感じ、広告代理店へ新卒入社。

リスティング広告やディスプレイ広告など、様々なクライアントの広告運用に携わっていく中で、「裁量が大きく、もっと自分のアイディアを広告に活かしたい」と考え、株式会社マイナビへ転職。現在は、マイナビに入社して10年が経過し、マネージャーとして、マイナビAGENTの広告集客に携わる。

マイナビのマーケティング職に興味がある人に向けて記事を書いても、Googleの検索結果に上位表示され、この記事が届かないと意味がない。
SEOド素人の広告担当が、コンテンツSEOを意識して、自身の実体験をもとに、事業会社へ転職して感じている事を書いてみました。
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の芝生は青く見える?広告主の働き方 

 当時、私が広告会社に勤めていた頃はこのような思いでした。思い当たる節、ありませんか?

告主は「楽して働いてそう

 広告代理事業はその名の通り、「発注側」と「発注される側」で大きく分類され、よく働き方を比較されがちです。広告会社の立場からすると発注サイドの働き方は楽に見えて、隣の芝生は青く見えませんか?

 実際、私も広告会社から広告主側に転職する際は、そう感じていました。当時感じていた広告主の働き方とは、まさに人に任せて「楽して働いていそう」です。

ャイアン的発想?広告会社の成果は広告主のもの

 私は広告会社の時、アカウントプランナーや運用のコンサルティングをしておりました。毎月、毎週のクライアントへの報告の際、目標数値が未達だったり、売上が立たなかったりしたことを、すべて広告会社の問題かのようにすり替える担当者と、過去に数え切れないほど対峙してきました。

 広告費を払うという立場を利用して、ラクして働く代表格です。

  • お金を支払う立場なので、常に上から目線。偉そう
  • 人を使うだけ使って、自分だけ評価されている
  • 広告費を広告会社に預けて、あぐらをかいて座っている
  • 達成出来なければ広告会社の責任、達成出来たら自分のおかげ
  • 成果が悪い時だけ、やたら連絡してくる
  • 月次レポートで細かいところを指摘、揚げ足取りする

 だいぶ、極端な書き方をしましたが、真面目にクライアント、そしてWebマーケティングと対峙している方なら、少なからず共感いただける点があるのではないでしょうか。
 
 隣の芝生は青く見えるのは当然のこと。決して間違いではないです。

 ただ、今思い返すと、その広告主の態度や言動は、自分の保身のためのものではなく、事業ドメインをサポートする立場として必死だったからと改めて思います。

業会社のWebマーケターは決して甘くない

 結論から言うと、広告主のWebマーケターは想像以上に大変です。広告会社から広告主側に転職して、ラクして働こうと安易に考えていた自分が情けないです。

 決して広告主のWebマーケターは甘くありません。Webマーケティングの成果が、そのまま事業の成長に直結するプレッシャーを抱えつつ、日々プロモーション活動を行っています。

業の成長に直結するマーケティング活動、その責任とプレッシャー

 一般的な広告会社のミッションが、私が思う限り「広告予算の最大化」がビジネスのゴールだと思っていますが、事業会社は「(顧客満足度を高めた上で)事業の継続的な売上向上・利益の最大化」だと思います。

 しかし、Webマーケターとして広告予算を増やすことは目的の一つでありますが、状況によっては広告予算を削減して、いかに利益を残すかが重要視される事も度々見られます。

 とくに、マイナビは人材と企業をマッチングさせるサービスがほとんどあり、プロモーション、サイト集客などマーケティングの成果によって事業の売上や利益は上下に変動します。

 広告やサイトの集客に携わる部門は、野球でいうと「先頭打者」のような存在かもしれません。広告予算は決して、どこからかふっと湧いて出てくるものではなく、会社のお金を使う以上、当然のように結果が求められる非常にシビアな世界です。

業全体の状態が数字で良くも悪くも見えてしまう

 過去の面接選考を振り返ると、転職理由に「戦略から立案に携わり意思決定をしたい」「上流工程から携わりたい」という考えをよく聞きます。

 確かにこの考えは間違えではなく、転職することでそれは達成できます。

 しかし、逆に言うと「上流工程から携わる」ということは、事業全体の数値が見えてしまうということでもあり、売上や利益をコントロールするという動きや意識が常に必要になってきます。

 広告会社では、コンバージョンやCPAなど中間指標の達成に向けて動くことが多いですが、事業会社では売上・利益が重視されます。

 「目標CPAの範囲内でコンバージョン数が達成したとしても、売上が上がらなかった」それがなぜなのかマーケティング部門として言及しなければならない場面はよくあります。

化が速い業界のため常にスピードが求められる

 マイナビが得意とする人材領域は、雇用にかかわる業界のため、景気や政治状況に敏感で、変化も顕著です。

 世の中のニーズの変化を敏感に察して施策に落とし込んだりとスピードを緩めることはできません。さらに、競合他社の動きも加われば、意思決定にスピードが求められるのは当然です。

 事前に何かを判断する素材が揃っていることはまずありませんが、少ない解決策の中で最適解を見つけ、愚直に数字と向き合って改善策を出し続けるという点では、「泥臭い仕事」といっても間違いではないと思います。

生産部門という考え方

 広告会社にいるアカウントプランナー、Webマーケターやクリエイターは、広告戦略立案・クリエイティブ制作というビジネスドメインに紐づく職種なので、事業会社よりも社内における立場は強いのではないかと勝手ながらに想像します。

 一方の事業会社では、経営企画や営業部門が含まれ、これらは会社の中核を成す部門であり、売上に密接に関与しています。Webマーケティングを担う部署は、ビジネスドメインをサポートする役割を果たし、しばしば非生産部門として扱われ、予算を必要とします。

 営業部門との間にセクショナリズムがあるということを伝えたかったのではなく、広告会社で働く人たちは、この事実に気づきにくいことがよくあり、誤った解釈に繋がりやすいポイントの一つです。

業制限とパフォーマンス最大化の両立

 広告会社では、徹底的にこだわり、時間をかけてでも最高の広告コンテンツを生み出したいという文化が根付いていると勝手ながら考えます。

 裁量労働制や見込み残業代の支給が一般的であり、したがって残業代を主な収入源とするケースは少ないのではないでしょうか。ここでは、個々の時間の使い方が組織ではなく個人に委ねられている傾向が強いと思います。

 一方で、事業会社は残業が少ない傾向がありますが、特にWebマーケティングを担う部署では、効率的に協力して成果を上げ、高い生産性が評価される傾向があります。短い時間内で最大限の成果を出すことへの意識が高く、時間に対するコスト効率が重要視されています。

は、なぜ10年以上もこの仕事を続けられるのか?

 ここまで読んでいただくと、事業会社へ転職することのメリットを一切感じていらっしゃらないのではないでしょうか。
 では、なぜ10年以上もマイナビのWebマーケティング職として働き続けているのか、その理由をお話しします。

▶「告で人の心を動かす」が楽しい

 これは、会社というよりも、Webマーケティングに対する想いです。

 事業会社、広告会社どちらであろうと、「広告で人の心を動かす」仕事であることは間違いないと思います。改めて振り返ってみると、誰かに表現したことが影響していく喜びが常に原動力になっていたように思います。

 日々、数値ばかりに忙殺されてしまうと、どうしてもこのような仕事のモットー、自分が大切にしていることを見失いがちですよね。

 私の場合、今の働き方の方が上流工程・意思決定に携わることができるので、この点転職して良かったなと思えるポイントです。

▶「ライ&エラーの数だけ上手くいく」が楽しい

 これも、Webマーケティングに対する想いです。

 Webマーケティングには「ゴール」や「終わり」があるわけではなく、施策が成功しても改善の余地があり、逆に失敗しても改善の機会が広がっています。この繰り返しのプロセスが、良くも悪くも未来永劫続くものと考えています。

 野球の世界で打率3割あれば評価されるように、Webマーケティングも全ての施策が成功することは難しく、そのためには常に新たなアプローチを試みることが重要です。言い換えれば、常に「打席」に立ち、トライ&エラーを通じて自身の正解を見つけ出すことが求められます。

 考え、思いつく施策を試し続けられる、それが数値として白黒はっきり表れる。

 広告会社にいた新卒当時から、「トライ&エラーの数だけ上手くいく」というプロセスが楽しいと、今でも感じています。

社サービスを長期視点で育てていく醍醐味がある

 ここからは、事業会社のWebマーケティングに対する想いです。

 データ分析から導き出した考察を基に、実施したターゲティング広告が的中した瞬間がやりがいだ!という話は、よくある話かと思います。

 ただ、それ以上に単なる業績向上だけでなく、自分が携わるサービスが市場シェアを伸ばしていき、どんどんポジションを確立していくワクワク感があります。

 自社サービスを長期視点で育てていく醍醐味があるというのはもちろん、「自分が携わったサービスを多くの人に使ってもらえる」という実感が得られるのは、まず間違いないと思います。

▶「倒的」強者を目の前に戦う楽しさ

 私が担当するマイナビAGENTは、人材紹介サービスの中でもまだまだチャレンジャーの位置にあります。

 競合他社に広告費の総額では決して勝つことはできず、競合と同じことをしていては一生勝つことができません。発想やアイディアの幅を広げるため、チーム総力戦で、日々試行錯誤しながら新しい広告手法を考え、クリエイティブ開発に努めています。

 確かに広告費を増やせば出来ることが増えますが、限られた原資の中で、いかに創意工夫をしていくか、そこに我々の存在意義があると信じています。

とめ】「打席」に立ち続ける覚悟はありますか?

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 仕事において、他の企業や職場が良いように見えることはあるかもしれませんが、実際にはその内情や課題も知らない限り、表面的な印象だけで判断することは難しいですよね。

 ただ一つ言えることは、隣の芝生が青いのは幻想であり、「事業会社のWebマーケターは甘くない」ということです。

そのうえで、本当に覚悟があるのかどうか、胸に手を当てて考えてみてください。

業会社か、広告会社でキャリアを選ぶべきではない

 社会人経験が長くなると、視野が狭くなり、気づかぬうちに自分の選択肢を少なくしてしまう人が少なくありません。私自身もその人のうちの一人だと自覚しています。ただ、自分の思い込みで動くことで貴重なチャンスを見逃してしまうのは惜しいことではないでしょうか。

 改めて、自分は本当に事業会社に向いているのか、広告会社と事業会社の双方を検討してみることは良い選択肢と言えるのではないでしょうか。

 私は過去の面接の場で、事業会社に対するWebマーケティングに対する認識のギャップを感じてきたわけですが、もしワークライフバランスを整えたり、リモートワークをするための手段として事業会社を選ぼうとしているなら、一度立ち止まって考えた方がいいかもしれません。

なくてもいい。ただし「何を実現したいか」目的を見つける努力はしよう

 結論を最後に持ってくるあたりが、ライティングスキルの低さを露呈していますが、正直マイナビに転職するまでは明確にやりたいことがあったわけではありません。※この場では発言を控えますが「野望」は持っていました。

 恐らく、多くの人が自分の将来についてあいまいな考えでいると思います。

 私の場合、マイナビAGENTという人材紹介サービスとちゃんと向き合い、そのサービスが広告予算とともに売上が成長していく過程の中で「実現したいこと」が明確になっていきました。「やりたいことは後からついてくる」とはまさにこのこと。

 それは、人材紹介サービスの中で、マイナビAGENTが市場シェアNo.1のポジションを獲得する。です

これは、さきほど申し上げた通り、「打席」に立ち続けた結果、私にしか見えない景色です。
 事業会社のマーケティング担当はその会社のサービスにずっと関わっていかなければならないデメリットもあり、「自分が何をやりたいのか」逆にこれが見つからないと、仕事に対するモチベーションが上がりにくく、業務に焦点を当てることが難しくなります。

あなたは、事業会社で「打席」に立ち続ける覚悟はありますか?

  私は、マイナビもWebマーケティングも大好きです(嫌いな側面もありますが)。好きなことを突き詰めていった先に自分の熱中できることがあるはずです。「打席」に立ち続け、どんな形であれ目的を見つける努力はしましょう。

編集後記

 マイナビのマーケティング職に興味がある人に向けて記事を書いても、Googleの検索結果に上位表示され、この記事が届かないと意味がない。と冒頭に書かせていただきました。
 
 上位表示を狙いたい検索キーワードは、「Webマーケ␣転職」「事業会社␣Webマーケ」「広告会社␣転職」です。コンテンツの重複チェック済みで、キーワードの頻出度合いもチェックしました。
 
 マイナビの強いドメインパワーを借りて、しっかりとこの記事が皆様の手元に届くよう上位表示を目指して、コンテンツを見直していきたいと思います。

※本記事は2023年12月時点の内容です。

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