2022/12/01

テクノロジー

Service Quotasを使ってEIPの取得上限を年齢の数だけ爆上げしてみた

この記事の目次

    きっかけ

    はじめまして、私はインフラエンジニア(42)です。
    突然ですが、のっぴきならない事情にて以下のような要件の環境を至急手に入れる必要がありました。

    • EC2を42台準備
    • EC2にはSSH接続をする
    • SSH接続する際のIPアドレスは変えたくない
    • 時期によってインスタンスタイプを変更

    EC2インスタンスのインスタンスタイプを変更するには、そのインスタンスを先に停止する必要があります。
    EC2インスタンスを停止後に再起動しますとパブリックIPは変わってしまいます。
    つまり上記の要件を満たすためには42個の固定IPが必要となります。

    早速Elastic IPアドレスを

    なんとmaximumと怒られてしまいました…

    どうやらElastic IPはリージョンあたり5つまでと制限されているらしいのです。
    パブリックインターネットアドレスは数に限りのあるリソースなので仕方がないのですが、そうも言ってられません。

    今回はService QuotasというAWSのサービスを利用して、Elastic IPの上限を緩和してみましたのでこの記事に残しておきます。

    上限緩和のお願いをしていく

    サービス>Service Quotas>ダッシュボード

    Service Quotasのダッシュボードを開くと、その環境内での色々なサービスで上限があるとわかりますね。

    AWSのサービス上で「EC2」と検索し、EC2サービスクォータ上で「IP」と検索すると

    お目当てのElastic IPまでたどり着くことが出来ました。

    EC2-Classicというのは、単一のフラットネットワーク内で稼働するインスタンス環境のことで、VPCが提供される前に提供されていました。
    ちなみに2022年8月15日に廃止になりました。

    というわけで今回はこっちを選択します。

    デフォルトのクォータ値は5のようです。
    42まで爆上げしてみます。

    保留中のリクエストに入りました。

    上限緩和されてた

    数日後、解決されていました。
    具体的に何日ほどだったのか確認できておらず申し訳ないのですが本当に「数日程度」でした。

    おまけ

    Service Quotasって一体何だったんだ

    AWS アカウントには、AWS のサービスごとにデフォルトのクォータがあり、基本的にはリージョンごとに存在しています。
    ちなみに以前はクォータではなく「制限」と呼ばれていたそうです。

    Service Quotas は、AWS のサービスクォータを 1 か所から管理できるようにする AWS のサービスです。
    機能としては以下の2つです。

    • クォータ値を確認
    • クォータの引き上げをリクエスト

    Service Quotas でのリクエスト対象として、まだ利用可能になっていないサービスもあります。
    その場合は AWS サポートセンターを使用してクォータの引き上げをリクエストすることができるとのことです。

    課金体系としては、クォータの引き上げを行っただけでは請求は発生しません。
    実際にAWSのサービスを使用したりリソースを作成した時点から請求が発生します。

    今回はのっぴきならない理由で42個もEIPを取得することにはなりましたが、
    クォータによって、ユーザーが必要以上にサービスを使用して請求額が膨大になってしまうことも防いでくれていると考えられます。

    ※本記事は2022年12月時点の情報です。

    著者:マイナビエンジニアブログ編集部