2022/12/18

テクノロジー

DX推進のために社内ITツールの利用状況を調査した

この記事の目次

    はじめに

    こんにちは。
    プロセスデザイン部 コミュニケーションデザイン課(現デジタルテクノロジー戦略本部)です。

    ITを通じコミュニケーションを最適化することをミッションとして、今年の4月に新しく発足した部署です。社内のコミュニケーションを活性化させることで「横串の業務改革」や「サイロ解消」を目指しています。

    今回は組織の紹介も兼ねて、私たちがどのような活動を行っているのかを書いてみたいと思います。

    どんなことをする部署?

    ITの企画部門

    私たちは全社のITを管理する部門の中で、今後の社内のIT環境を考えることを専門としている企画部門です。

    企業は常に変化し続けていかなければならず、それに対応して社内のIT環境も変化し続けていく必要があると考えています。

    DX推進PJに参加

    マイナビでは、IT部門だけでなく総務や経営企画といった管理部門と、事業部の有識者を集めて全社横断のDX推進PJを発足しています。

    DX推進PJでは「横串の業務改革」「データ利活用」など様々なテーマを扱っています。私たちはその中の「サイロ解消・情報共有」に関する分科会に参加しています。

    コミュニケーションの活性化を目指して

    サイロ化ってなに?

    「サイロ化」という言葉を知っていますか?
    組織ごとに業務プロセスやシステムなどが独自に存在し、全体で連携できていない状態のことを指します。
    特に、企業で部署同士が縦割り状態になり、部署間の横の連携が取りづらい状態のことを「組織のサイロ化」と呼びます。

    組織の縦割り状態は、各部署が各々の役割に専念できるというメリットがある一方で、互いが何をしているのかがわからないため、企業全体でみたときには効率が悪く成長を阻害する要因ともいわれています。

    私たちの部署では、社内のコミュニケーションを活性化させることで、サイロ化を解消することを目指しています。

    オープンコミュニケーションが大事

    私たちの部署のミッションを達成したとき、マイナビはどのような状態になっているんだろう?
    組織が発足したときにみんなで考え、以下のような状態を"目指すべき姿"としました。

    組織を横断したコミュニケーションが活発化することで、今まで共有されていなかったナレッジが共有されたり、新しいコラボレーションがうまれるなど、様々な化学反応が起きる状態

    そのためには、誰もが見られる場所でコミュニケーションをすること=オープンコミュニケーションが重要になると考えています。

    まずは社内の課題を洗い出す

    今年の4月に部署が発足してから、まずは社内のIT環境の実態を調べることから始めました。
    サイロ化は本当に起きているのか?何か原因となっているツールがあるのか?など、今後のあり方を考えるために現状の課題を知ることを目的としました。

    マイナビ社員約7,000人を対象にしたアンケート調査と、全国の様々な職種の社員15名にインタビューを実施しました。

    社内調査をスクラムですすめてみた

    社内の課題を洗い出すプロジェクトでは、運営をアジャイルの代表的な手法である「スクラム」をベースとして行うことにしました。
    スクラムというとシステム開発で用いられるのが主流ですが、今回のようなシステム開発ではない案件にも適用できます

    スクラムを用いることにした背景は大きく分けて2つあります。

    一つ目は「チームメンバーがほぼ全員初対面同士であったから」です。
    コミュニケーションデザイン課とEX推進課という二部署共同でおこないましたが、どちらも2022年4月に新設されたばかりでした。3月までの職種や業務内容もみんなバラバラでした。
    それぞれ価値観にギャップがあり、プロジェクトに対する目線を合わせるのが難しい状況だったのです。
    そのため、コミュニケーションをとる頻度が多くなるように工夫されているフレームワークを用いたいと思い、スクラムを取り入れることにしました。

    二つ目は、「全社的な規模でのアンケート実施を行った実績がなかったから」です。
    IT部門が主催する調査としては前例がないものであり、ノウハウや工数などが非常に不透明な状態で進める必要がありました。
    そのため、プロジェクトレベルで見ても臨機応変に動くことのできるよう、工数を相対的に見積もりつつスプリント単位で動きを変えることのできるスクラムを取り入れることにしました。

    スクラムの経験値があるメンバーは過半数以下でしたが、初動で丁寧にスクラムについて説明を行ったことで上手く浸透し、プロジェクト自体もスムーズに進行することが出来ました。
    皆さんも、初対面のメンバーで新規案件を取り扱う場合には、スクラムで進めてみてはいかがでしょうか?

    これから取り組むこと

    社内調査でわかったこと

    ITツールに関する社内調査によって、同じような役割のツールが社内でたくさん使われていることがわかりました。

    特にチャットツールは、IT運用部門が管理している全社導入済みのツールが2種類あるほか、各現場が独自に導入しているツールも散見されました。
    各現場によってメインで使っているツールが違う状態です。

    ツールが異なることにより、他事業部と連絡したいときに何のツールを使えばよいかわからなかったり、色んなツールから連絡がくるので通知を見落としたり、どこでやり取りしたか分からなくなるなど、ちょっとした不便が起きていることがわかりました。

    ▼各コミュニケーションツールの利用率

    C~Eは現場が独自で導入しているチャットツールですが、多いものだと約3割の社員が使っているという状況です。
    インタビュー調査から、メールを含めると常時3~4つのツールを使い分けている社員がいる(!)こともわかりました。

    社内の交通整理が必要

    こういった状況を受けて、社内向けにチャットツールのガイドラインを作成しました。
    マイナビで利用可能なツールを一覧化し、利用を推奨するツールや各ツールの特徴、現場で独自に導入する場合の申請方法などをまとめています。

    社外からの要請などやむを得ない事情もあるので、利用するチャットツールをひとつに限定することは難しいと考え、まずは社内のやり取りのスタンダードを決めて社内に発信しました。

    とはいえ、ツールの数の多さ自体にも問題があると考えており、今後は抜本的な見直しも図っていきます。
    まだ結論は出ていませんが、今後社内のチャットツールを統一し、全社共通のコミュニケーション基盤を構築していく想定です。

    ツールを統一するだけでよいの?

    残念ながら、社内のチャットツールをひとつにしただけでは、コミュニケーションは活性化しないと考えています。

    部署を横断したやり取りや新しいコラボレーションが発生する状態になるためには、オープンコミュニケーションの文化をつくっていく必要があります。オープンな場で気軽に発信できるような、心理的安全性が確保されている組織風土の醸成です。

    文化や風土の醸成は、一朝一夕でできるものではありません。
    コミュニケーション基盤を構築した後には、その環境をどのように使ってもらうかを考えながら、オープンコミュニケーション文化を醸成できるよう、様々な仕掛けをおこなっていきます!

    ※本記事は2022年12月時点の情報です。

    著者:マイナビエンジニアブログ編集部