テクノロジー
データドリブン文化の推進のためにTableau DATA Saberを取得し、弟子を育成した話
はじめに
マイナビ内でTableau DATA Saber認定制度に挑戦された3名に、師匠(前編)・弟子(後編)それぞれの立場で2作に分けて体験記を書いていただきました。
本記事では前編・師匠についてお届けします。
自己紹介
ご覧いただきありがとうございます。データソリューション統括部 データ活用推進2課のI・Rです。
この度マイナビのデータドリブン文化醸成の足がかりになればと、DATA Saber認定制度に挑戦し認定されました。また後進育成のため、私自身がDATA Saberで身につけた知識を伝え、弟子も育てることができました。
今回はDATA Saber認定制度のご紹介と、認定までの歩み、後進育成についてお話したいと思います。
- データ利活用を進めたいが、勉強のとっかかりがつかめない。
- 自己流でBIツール(DATA Saber認定制度ではTableau)を利用しているが、技術力に自信がない。
- データ利活用を推進するにあたり、周囲を巻き込む方法がわからない。
こういったお悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。
DATA Saber(データセイバー)とは?
DATA Saberは、周囲にデータの重要性を説くデータ分析スキルとマインドを持った人材の育成を目標としたプログラムです。
主催はTableau社の元社員であるKTです。このプログラムは2015年に開始され、2023年6月現在1,300名以上のDATA Saberが育成されています。
DATA Saberは一般的な認定制度とは異なり、単にTableauの知識を持っているだけではなく、データドリブンの文化を浸透させるために必要な情熱や意志を伝えるためのコミュニケーションスキルを身につけることが重要です。
その証拠として、DATA Saberでは必ず師匠と弟子の関係でチャレンジを進めます。
師匠を見つけることも最初の試験となり、DATA Saberになった後に何を成し遂げたいのか、なぜなりたいのかなどを師匠に説得する必要があります。
DATA Saberの試験概要
このプログラムでは、以下の試練を3ヶ月でクリアする必要があります。
・データ理解に必要な技術力を身につける(全10回の技術試験に満点で合格する)
・データドリブン文化を推進するためのコミュニケーションスキルを身につける(コミュニティ活動を行う)
また、試験突破に必要な勉強時間は約100時間程度となっています。
詳細については公式ウェブサイトをご覧ください。
https://datasaber.world/
DATA Saberに認定されるまでの歩み
前述の通り、DATA Saberになるためには現在DATA Saberの方に師匠になっていただく必要があります。
師匠探し
まず第一歩目としてTableau社の営業職の方ににDATA Saberになりたい旨をお伝えしました。するとTableau社主催のイベントにDATA Saberの方が講演されると伺い、すぐに参加しました。
講演された方は、Tableauの教育プログラムを自社内用にカスタマイズし、モチベーションとなるよう報酬体系を社内で調整し、BIツールが当たり前に使われる文化を浸透させるまでの軌跡を実体験を交えてお話してくださいました。マイナビにデータドリブン文化を浸透させる足がかりとしてDATA Saberになろうと考えていた私にとって、まさに理想の師匠像でした。
講演後にお話する機会があり、優れた実績を持つ方の弟子として迎え入れていただきたい旨をお伝えしたところ、快諾していただき、無事にDATA Saberのチャレンジが始まりました。
全試験突破までの勉強時間は120時間
試験突破までの苦労については、私の弟子が後編で取り上げていただく予定ですので、詳細には触れません。
Tableauは独学で身につけたため、知らない機能に驚くことはもちろんですが、同じデータでもグラフの作り方1つでより直感的に理解できることを体験しました。
師匠からのレクチャー会や、Twitterを通じてDATA Saberに挑戦中のメンバーとの勉強会、ディスカッションを経て、約2ヶ月半でDATA Saberに認定されました。
DATA Saberになって、なぜ弟子を育てたのか?
DATA Saberになった後、すぐに弟子を取りました。その理由は大きく2つあります。
組織全体のデータリテラシーの底上げ
データドリブンな文化を育成するためには、アイディアやノウハウ、気づきを組織内で共有する必要があると考えました。経験や知識を独占せず、他のメンバーと共有することで、個人だけでは気づけなかった洞察やアイディアが生まれるからです。
徐々に集合知を拡大することでデータリテラシーも向上し、組織が抱えるビジネス課題をデータを通じて正しく理解し、解決策を生み出せるようになっていくのではないかと考えています。
部門間の協力体制の構築
新しい文化の醸成は試行錯誤の連続です。1つの解決方法ですべての課題を解決する万能薬は存在せず、さまざまな施策を地道に試していく忍耐力が必要です。そしてこれらの施策には単一の部署ではなく、部門や職種を超えた協力関係が不可欠だと考えています。
DATA Saberでは師弟関係を築き、3ヶ月間で約100時間の密なコミュニケーションを取ります。ここでは、データの活用方法について深く話し合う機会も多くあります。この時間を通じて結束が生まれ、互いに協力し合える関係性を築くことができたと感じています。
今後の師匠としての未来像
ビジネスサイドの課題解決に貢献できるよう、課題の整理から関与し、共に取り組むことを考えています。エンジニア部門やビジネス部門といったセクショナリズムに陥ることなく、最終目標であるビジネス価値の創出に向けて、情報交換を行いながら課題解決を進めていきたいです。
そのための一歩として、データ利活用に興味を持つビジネス部門の方々にDATA Saberの活動についてお話をし、弟子として育成することでデータドリブン文化の醸成に貢献したいと考えています。
ビジネス部門の方々にデータの重要性やその有効活用方法について啓発を行い、共通の認識を持つことで、より効果的な課題解決とビジネス成果の向上を図ります。
またDATA Saberの数が増えた際には、定期的なワークショップや勉強会を通じて、ビジネス部門との連携を強化し、具体的なプロジェクトにおいても共同で取り組む機会を増やすことも考えています。さまざまな視点や専門知識を持つビジネス部門との連携は、より総合的な解決策の発見やイノベーションの創出に繋がると信じています。
これによって、データドリブンなアプローチが組織全体に浸透し、ビジネス課題に対する的確な洞察と戦略的な意思決定が行われるようになることを目指します。ビジネス部門との連携を通じて、より価値ある成果を創出し、組織の成長に寄与することが私の思い描く未来像です。
※サムネに利用しているロゴは DATA SABER より引用
※本記事は2023年07月時点の内容です。