GitHub Universe'25 Recap Tokyo 参加レポート
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本記事は【Advent Calendar】の6日目の記事です。
GitHub Universe'25 Recap Tokyo
こんにちは、Webアプリケーションエンジニアをしている新卒2年目のH.Sです。
最近、人生初のバンジージャンプを岐阜で飛んできました。
高所恐怖症が治るかと期待したのですが、全く治りませんでした......
さて、今回は11/26(水)に開催されたGitHub Universe'25 Recap Tokyoのイベント参加レポートになります!
カンファレンス概要
| 情報区分 | カンファレンス詳細 |
| イベント名 | GitHub Universe'25 Recap Tokyo |
| 開催日 | 2025/11/26 |
| 開催場所 | ベルサール渋谷ファースト |
| イベントページ | https://github.registration.goldcast.io/events/881d0dd3-da25-4d1b-9a73-7b533dcd9aa4 |
タイムテーブル
セッション
| 時間 | セッションタイトル |
|---|---|
| 12:00 PM - 1:00 PM | 受付 / Registration |
| 1:00 PM - 1:10 PM | ようこそ! / Welcome! |
| 1:10 PM - 2:10 PM | GitHub基調講演 / GitHub Keynote |
| 2:10 PM - 2:30 PM | 質疑応答 / QA |
| 2:30 PM - 2:50 PM | 20分休憩 / 20 min break |
| 2:50 PM - 3:15 PM | 今日から使える!GitHub Copilotをカスタマイズ |
| 3:15 PM - 3:40 PM | GitHub Copilotで作るGitHub - 自社プロダクトで開発する究極のドッグフーディング |
| 3:40 PM - 4:00 PM | 20分休憩 / 20 min break |
| 4:00 PM - 4:20 PM | VS Codeでエージェント開発:GitHub CopilotとAgent Framework |
| 4:20 PM - 4:50 PM | 「安心・簡単・納得」を実現するバンダイナムコスタジオのGitHub&GitHub Copilot導入推進 |
| 4:50 PM - 5:10 PM | 20分休憩 / 20 min break |
| 5:10 PM - 5:30 PM | GitHub管理者向け最新アップデート |
| 5:30 PM - 6:00 PM | GitHub を組織的に使いこなすためにソニーが実践した全社展開のプラクティス |
| 6:00 PM - 6:03 PM | 終わりの挨拶 / Closing |
| 6:03 PM - 6:25 PM | DJ&VJタイム(ネットワーキングパーティー) |
| 6:25 PM - 7:30 PM | ネットワーキングパーティー |
ライトニングトーク
| 時間 | 登壇企業/団体 | セッションタイトル |
|---|---|---|
| 2:35 PM - 2:45 PM | Figma Japan株式会社 | FigmaとGitHub Copilotでコードとデザインの意図をつなぐ |
| 3:45 PM - 3:55 PM | JFrog Japan株式会社 | JFrog×GitHub:コードからバイナリ、セキュリティ、配布まで一元管理し、ソフトウェアサプライチェーンの全体制御で効率かつセキュアな開発プロセスを確立 |
| 4:55 PM - 5:05 PM | 株式会社エーピーコミュニケーションズ | GitHubをスーパーチャージ!カタログ、標準化、可視化で開発を加速するBackstageポータルとの連携 |
| 6:25 PM - 6:35 PM | アバナード株式会社 | AI-Native時代のDevOpsとGitHub活用 ― Avanadeが導く「価値×速度」の新標準 |
| 6:40 PM - 6:50 PM | グラファナラボ日本合同会社 | OSS だけじゃない!Grafana Cloud によるオブザーバビリティの実現 |
| 6:55 PM - 7:05 PM | ギットハブ・ジャパン合同会社 | Octoverse 2025のご紹介 |
各種セッション
タイムテーブルにある通り、様々な企業様による貴重なセッション公演が行われていました。
その中でも個人的に面白かったもの・印象に残ったものを2つほど共有させていただきます!
今日から使える!GitHub Copilotをカスタマイズ
こちらのセッションでは自分に合ったGitHub Copilotへカスタマイズするためにできることを入門から最新アップデートの内容まで、レベル1~5の段階に分けて解説をしていただきました。
Lv.1 Custom Instruction
公式ドキュメント
Github Copilotがどのように振る舞ってほしいのか、性格やルールを定める機能です。
設定の登録方法はとてもシンプルで、プロジェクトのルート直下に.github/copilot-instructions.mdまたは./github/instructions/XX.instructions.mdというマークダウンファイルを生成し、その中でドキュメントのように性格やルールを定めることで、copilotが自動でそれを読み取ってその通りに振る舞ってくれるという機能です。
また、少し前にOpenAIから発信されたAGENTS.mdという各種AIエージェント設定ファイル共通化という思想も取り入れられており、AGENTS.mdもこの機能で読み取ってくれるとのことです。
Lv.2 プロンプトファイル
公式ドキュメント
いわゆるカスタムコマンドと呼ばれる/コマンドを作成する機能です。
普段、GitHub copilotに機能実装を依頼する際、「~~という条件で、〇〇.mdの仕様に沿って......」といった命令を毎回伝えることに対して手間を感じますよね。
この機能では、その実装命令を出す時に共通して伝えている指示を/custom_implementationのように好きな名前で設定していつでも呼び出すことができます。
方法はとてもシンプルで、.github/prompts/XX.prompt.mdというマークダウンファイルを作成し、その中に実装命令を出す時に共通して伝えている指示を書き込んでおくだけ
そうすることで、いつもの命令を/コマンドに省略して伝えることができるようになります。
Lv.3 MCPs & Tools
MCP 公式ドキュメント
MCPとは、AI界隈における通信規格です。この規格はAIとAIに接続したいサーバーのためのもので、様々なサーバーで採用されているとても汎用的な概念です。
そしてMCPにおけるToolとは、各MCPサーバーが提供している機能のことを指します
Lv.4 カスタムエージェント
公式ドキュメント
Lv.1〜3を合体させたような仕組みです。
独自の/コマンドやMCP, Toolのどれを使っていいのか、どのような役割や性格をしたAIエージェントか、を全てカスタマイズして、〇〇専門AIエージェントを作成する機能です。
調整次第では、リファクタリング専用 AIや、テストファイル作成AIなど、人の手で対応することがかなり手間になる業務を一任することができ、「チームの開発プロセスを守ってエージェントが開発を進めてくれる」ようになる魅力に溢れています。
Lv.5 Agentic Workflow
公式ドキュメント
GitHub Agentic Workflows は、自然言語でGitHubの自動化ワークフローを記述できることを目指した機能です。
つまり、.github/workflow/XX.ymlに書いたワークフローをGitHub Actionsで動作させるように、AIエージェントでもGitHub Agentic Workflowsを使うことでGitHub Actionsを動かすことができるようになる、とのことです。
この機能のおかげで、PRのレビューや脆弱性調査など、人の手で行っていたものがGitHubブラウザ上でAIに任せることができそうです。
おまけ
今回のセッションの中で登壇者の服部さんがとても興味深い情報を共有されていたので、そちらについても触れさせていただきます!
以下の4つについて学ぶことのできるGitHubリポジトリです。
- AIエージェントのカスタマイズ手法
- プロンプトエンジニアリングの実践例
- コーディング規約の適用パターン
- MCP統合などの最新技術
こちらは、GitHub組織による管理下の元、MicrosoftとGitHubスタッフが保守しており、GitHubの公式セキュリティポリシーに準拠しているため、ガバナンス面にも優れています。
このページはGitHubが将来の開発者体験やツールについて研究・実験を行っている部門の公式サイトであり、様々な実験的プロジェクトや研究成果を紹介しています。
例えば、GitHub Copilot関連の実験的機能に関しても紹介されているため、「より最先端の情報が欲しい!」という方には宝の山かもしれません。
GitHub Copilotで作るGitHub
こちらのセッションでは、GitHubを運営しているGitHub社の中でどのようにAIを使った開発を行っているのか、またその中で起きた秘話などについてお話をしていただきました。
アーキテクチャと開発体制
GitHubが Ruby on Railsで動作していることや、開発手法はアジャイルに強制しておらず、各自適切な選択を取り入れることができるそうです。
開発手法についてはちょっとソースとなりそうな声明や記事を見つけられませんでした...
仮想環境開発
今回のお話の中で個人的なインパクトの大きかったテーマはCodespaces上で多くの開発プロジェクトが走っているという話です。
GitHubのサービスであるCodespacesを自社自らが採用しており、もしGitHubのサービスが止まってしまったらどうなるのか、というインシデントケースにも触れており、かなり貴重な学びになりました。
どうやら、Azureサーバーにミラーリングするようにサーバーを毎週立ち上げており、サービスが止まるような問題が起きた時にはそこから復旧可能とのことでした。
余談ですが、GitHub CodespacesといえばVS Codeの印象が強いため、Codespacesを使っている方でvimも使っている社員さんはいらっしゃるのかお伺いしたところ、その方の周りではほとんどいなかったそうです。
社内エンジニアが使っているGitHub copilotの機能分布
- Web BrowserのCopilot Chat 17.6%
- Code Completion(コード補完) 16.8%
- Agent Mode(IDE) 16.5%
上位3つは本当に拮抗していて各機能がしっかり役割に対して有効で、どれも同じぐらい使われているという印象を受けました。

各社展示エリア・ブース
今回のカンファレンスにはセッション以外にもスポンサーをされた各社の展示エリアがありました。

各エリアなどでいただいた戦利品など
Figma
私自身、最近登場したFigma makeを使うためにProプランの月3000円コースに入ったばかりで、そこまでFigmaについて詳しくなかったのですが、プランごとで使える機能の違いやその詳細を丁寧に教えていただくことができました。

Figmaを使ったプリクラ生成の体験も行っており、せっかくなのでお話を伺っていた社員の方と撮らせていただきました笑
Airdrop共有もできるため、この記事を書くにあたってのデータ取り込みがとても簡単で助かりました

Figma Code Connectという機能
今回はその中でもFigma Code Connectの機能について触れさせていただきます。
Figma Code Connectはビジネスプランやエンタープライズプランで利用可能な機能で、主に企業向けのサービスのようです。
具体的には、デザイナーが作ったデザインと開発者が書いた実際のコードを紐付く機能で、開発者は自動生成されたコードではなく、実際のデザインシステムのコードをFigma上で確認できるようになるそうです。
この機能を使うことで、いわゆる企業独自のデザインシステムで問題だった「デザインとコードの分断」を解消することができ、各サービスでのデザイン統一や保守運用の連携がかなり改善されるようになります。
ネイルアート
展示スペースの端にネイルアートが体験できるエリアもありました。それもMicrosoftのロゴが入りで...

なぜGitHubの情報発信の場に?と疑問に思い、担当の方にお話を伺ったところ、物珍しさとSNSでの話題を狙って毎年行っているとのことです。
デザインもとても可愛く、どの指につけるか選んでお願いできるようです。
しかも、本職のネイルアーティストさんをお呼びしているとのことで、イベントに対する本気度が伺えました。

私も試しにお願いしようと思ったのですが、かなり人気で予約状況を確認した時にはすでに最後の予約枠の時間しか空いておらず時間の都合で断念......
来年こそは
まとめ
今回のイベントは部署内でGitHubのイベントがあるらしいとの案内があり、そこから参加させていただきました。
半年ほど前に参加したTS Kaigiと異なり、現場ベースというより、GitHubサービスについてや、各社サービスがGitHubとどのように連携しているのか、といったサービス面の発信が多く、どちらかといえばマネージャー寄りの視点での学びが多かったように感じます。
自分のプロジェクトで採用しておらず、馴染みのないサービスも多かったものの、各スペースの社員さんから丁寧に教えていただくことができ、メンバー側の人間にとってもとても楽しいイベントになりました。
他にもこのGitHub Universeというイベント名物らしいドーナツがとても人気で争奪戦のようになっていたり、イベント中に開催されたスタンプラリーにて、メインセッションのステージ1のスタンプを撮り忘れて制覇を逃したり、イベント後のネットワーキングパーティではDJによるフロアの盛り上げなど、イベントを満喫できたんじゃないかなと感じています。



※本記事は2025年12月時点の情報です。