会社生活
WEB事業会社が中途採用で求めるエンジニアの特徴5選
自己紹介
ゼネラルエージェント事業本部IT_WEB領域にて、求人企業の採用支援、求職者の転職支援を担当している佐藤です。
担当企業 :WEB事業会社(マイナビも担当しています)
担当求職者:WEBエンジニア、WEBエンジニアを目指している方
メイン業務は企業の採用支援ですが、現在は求職者支援もおこなっております。普段はCTOやVPoE含め、現場の方々とコミュニケーションを取っておりますため、(可能な範囲での)生の情報をご共有できます。
想定する読者
現在WEBエンジニアとして活躍されている方や、WEBエンジニアを目指し自己研鑽などをされている方を想定しています。
- マイナビなどWEB事業会社に興味はあるけど、何から始めるべきかわからない…
- 今の実力でどういう会社に転職できるかわからない…
- 転職は考えていないけど、今の環境が今後に活きるのかわからない…
今後のために情報収集したいという方に、少しでも参考になる情報をお渡しできればと思っています。
はじめに
WEB事業会社は、面接の数日前に対策をして合格するほど簡単な会社ではないです。普段の業務から意識や行動を変えていく必要があると捉えているため、1人でも多くのエンジニアの方に、WEB事業会社で活躍するエンジニアになるために、「持つべき意識」「取るべき行動」をお伝えできればと思っております。
※本記事では技術的な部分ではなく、スタンスやマインド部分に注目し、まとめています。
本記事のまとめ(特徴5選)
- プロダクト志向の重要性
- 手段とやりがいの理解
- 3方向の視点(自分、仲間、ユーザー)
- 自責
- プロダクトは仮説の集合体(課題定義力と課題解決力)
まずは転職市場を理解するために、よくある転職理由から見ていきます
人それぞれ、理由は多くありますが、まとめると下記の理由が多いです。
- スキル(キャリア)アップ
- 現在の仕事の成長機会が限られている
- 人間関係のストレスや職場環境の問題
- 現職の待遇(給与、福利厚生)に不満がある
- ワークライフバランスの改善を希望
- 業界や職種の変化に興味を持った
- 企業の将来性に不安を感じる
- 自分のスキルや専門知識をより活かせる仕事を探している
- 長期的な目標と現職のミスマッチ
- 地理的な要因や家族の事情による転居
よく聞く内容ですね。
この理由だけでWEB企業で合格が出るか、お見送りになるか、が判断されるわけではないです。ここから一歩踏み込んだところに、重要な理由が隠れています。
【例】スキル(キャリア)アップしたいという求職者 ⇒ なぜスキル(キャリア)アップしたいのか?
-
【求職者A】
今の環境では古い技術を用いた開発しかできず、新しい言語を用いた開発にチャレンジすることが難しい状況です。環境を変え、新しい言語を用いた開発環境に身を置きスキルアップしていきたい etc... -
【求職者B】
自身が扱える技術の幅を広げ、よりユーザーに価値を届けるための技術の選択肢を増やしていきたい。新しい技術が必ずしも正解ではないが、新しい技術を学び理解しておくことで、今後プロダクトの成長や、自組織の効率化に貢献できる気付きにつながるかもしれない etc...
WEB事業会社で活躍する人(WEB事業会社で内定が出る人)かどうか、求職者AとBの違い、面接官がみているポイントを整理していきます。
プロダクト志向と技術志向
プロダクト志向とは?
他者(ユーザー)視点で物事を考えており、技術を手段として利用し「何をつくればユーザーに価値を届けられるか」「なぜこの技術を選択したのか」を考えられることが多く、プロダクト重視の志向性
技術志向とは?
自分視点で物事を考えており、技術力が上がれば良いという考えで「何をつくればユーザーに価値を届けられるか」「なぜこの技術を選択したのか」を考えられないことが多く、技術重視の志向性
志向性を理解すること
エンジニアとして、どちらが良いか悪いか、の答えはないです。どちらも良いと思います。ただWEB事業会社を目指すのであれば、「プロダクト志向」を持っていることが重要です。
2つの志向性どちらも持っているエンジニアもいたりしますし、技術志向でもWEB事業会社で活躍されているエンジニアもいたりします。繰り返しになりますが、どちらが良い悪いではなく、エンジニアとしてどうなりたいか、目的や将来の理想像によって異なるものでもあるので、まずこの志向性を理解することが重要です。
手段とやりがい
技術をどう捉えているか?
WEB事業会社のエンジニアの多くは技術を「手段」として捉えていて、WEB事業会社以外のエンジニアは「目的」と捉えていることが多いです。
日本のIT環境がそうさせてしまっている可能性も高いですが、クライアントワークをしている人だと開発環境が限定的であることが多く、とある1つの開発環境に強いエンジニアとしてキャリアを積まれることが多いです。単価も上がり、会社も同等の開発環境の案件を集中させるケースも多いので、異なる開発環境を目指したり、手元のスキルを向上させることに意識が向いてしまうのは仕方がないことなのかもしれません。
エンジニアとして感じるやりがいにも違いがある
WEB事業会社のエンジニアがユーザー貢献、サービスグロースなどをやりがいに感じている一方で、WEB事業会社以外で働くエンジニアは「技術向上」がやりがいになっていることが多いと感じます。※それが決して悪いわけではなく、希望する環境、将来の理想像につなげればいいだけです。
- 「なんでこの会社がこのサービスを作ろうとしているのか気になる」
- 「なんでこの設計になったのか気になる、他にも選択肢はあったのに、なんでだろう」
- 「リリースしたあと、そのサービスやシステムがどう使われているのか気になる」
といった理由から、WEB事業会社を志望されるエンジニアも多くいます。やりがいが「技術向上」以外に向いていると、上記のような発想になることが多いと感じています。
3方向の視点(自分、仲間、ユーザー)
自分視点、仲間視点、ユーザー視点、と3つに分けていますがWEB事業会社にいるエンジニアはこの3つの視点を持ち、うまく使いこなしていることが多いと感じます。よく利己的、利他的、とも表現されたりしますが…
- 自分視点 =利己的
- 仲間視点 =利他的
- ユーザー視点=利他的
と捉えるとわかりやすいかもしれません。
WEB事業会社のエンジニアは自分視点(利己的)も持っていますが、仲間視点(利他的)、ユーザー視点(利他的)を存分に活用し、仕事していることが多いです。※自分視点は言葉の通りですので、割愛します。
仲間視点とは?
この部分のコード、このままだとわかりづらいからもっとシンプルにしよう、ここに躓くかもしれないからコメント残しておこう、など、将来自分以外の、ただ自分に関係している仲間が仕事をするときのことを考えられる視点。
ユーザー視点とは?
このプロダクトにどんな機能を追加したら、よりユーザーは使いやすいと思ってくれるか、ユーザーの利便性が上がるか、またはこのプロダクトからどの機能を排除すれば、よりシンプルにユーザーにとってわかりやすく使ってもらえるか、を考えられる視点。
※普段はユーザー視点、仲間視点を合わせて他者視点と言ったりしていますが、ここではわかりやすく分けてます。あまり普段の会話の中で「仲間視点」は使わないですが、理解を深めるために記載しています。
自責か他責か
自責:自分で自分のあやまちを責めること
他責:自分以外の人や状況に責任があると考えること
ここに関しては、エンジニアだけでなく全社会人共通して言えることだと思いますが、他責よりも自責で物事を捉えられる人であることが重要です。過剰過ぎる自責は不要ですが、ひとつひとつの行動に対し、成功も失敗も振り返りが大事です。
- 他責の人は自分は悪くないと思い考え方や行動を変えようとしない(=成長がない)
- 自責の人はどんなことからも改善点を見付け、考え方や行動を変えようとする(=成長がある)
ので、ここは受ける企業がどこであろうが、意識すべきポイントになります。
(余談)プロダクトは仮説の集合体
有名な話ですが、「プロダクトは仮説の集合体」と言われています。またWEB事業会社では、仮説志向も重要視されていて…
課題定義力 × 課題解決力
この2つの能力が備わっていることも重要だと言われています。ここは長くなってしまうので、ご面談の機会をいただけた際にお伝えします。
最後に
WEB企業への入社難易度は高いため、転職を考え始めた前後数ヶ月だけ頑張ってもあまり意味がありません。普段の生活から変えていく必要があります。
- マイナビ含め、将来WEB事業会社で働いていくために今すべきことが知りたい
- 今の自分でWEB事業会社に受かるのか、受からないなら何が足りないのか、
など、気になる方はぜひお問い合わせください。
※私の思いとしては、1人でも多くのエンジニアがWEB事業会社で活躍する世界をつくることです。面接対策をして、その時だけ良く見えるようにして、WEB企業に入れるエンジニアを増やそうとは考えていないです。ので、転職すべきではない方に求人紹介はいたしません。
※本記事は2024年09月時点の内容です。