2025/06/30

テクノロジー

TSKaigi2025を組織開発の目線でみてみた

この記事の目次

    TSKaigi2025

    TSKaigi2025
    「学び、繋がり、”型”を破ろう」をテーマに、TypeScript に関するあらゆるテーマを扱う国内最大級のカンファレンスとして、まさに「型破り」なイベントを目指し成長を続けるカンファレンスです。
    朝から夕方までTypeScriptについての講演があり、事前に自分が気になるセッションを聞きに行く方式でした。

    開催日

    2025/05/23、2025/05/24

    印象に残ったセッション

    付録: TSKaigi2025の発表資料まとめ

    内製開発業務にどのように活かすか

    • 【難易度_易】Panda CSSは継続して採用していきたい
    • 【I難易度_易】フルスタックTypeScriptの案件の比率を増やすのもあり
      • GraphQLを活用しまずはサブシステムとして使い始めてもいい
    • 【難易度_易】type-challengesでTypeScript技術力養成
      • 勉強会、もうこれでいいのでは
    • 【難易度_中】スキーマ駆動開発、はじめましたの潮流でバックエンドテストも正していきたい(Railsならcommitteeなど)
      • TSKaigiと言いつつスキーマ駆動の話があったので、内製採用率の高いRailsではどうやって行こうという観点
    • 【難易度_中~高】部署間連携で生産性向上(例. Figma MCPなど)
      • TSKaigiと言いつつFigmaMCPからのコード生成の話があったので、これやるなら生産性向上のためにUXDとかと部門間連携必要

    本題

    組織開発という目線でみたカンファレンスのレポート

    2024年に産声をあげ、昨年同様大盛況のうちに幕を閉じたTSKaigi2025。

    公式のカンファレンス概要に書いてある通り、TSKaigiは非常に若いカンファレンスイベントです。
    RubyKaigiの第一回が2006年、PHPカンファレンスは2000年、GoConはちょっといつからか分からないですが2013年くらいからはあるはず。とまぁこんな感じで若いイベントです。

    GOが2009年生まれTypeScriptが2012年生まれとほぼ同期なので、イベント発足が遅めなのが分かります。connpassのイベントを遡って調べてもまあ2015年くらいからチラホラとサブタイトル的にイベントがあったくらいです。
    (*生まれの2012から自分が新卒で入るまでの時間軸で絞り込んだのと、npm trendsで2016年くらいをマウスオーバー。)

    TypeScriptがここまでの一大勢力になったのは静的型付け機能もありますが、ReactやVueやAngularの勢力が後押ししているのは間違いないと思います。

    これはどの言語でももしかしたら共通して言えることかもしれませんが、例えばRubyであってもRuby on Railsが勢力を持っていないかったらここまで愛されたかどうか…言語の生みの親が日本人なのでそういった意味ではパイは取れたと思いますが…。

    余談で私が新卒で入った会社はRuby on Railsでの開発を強みにしてましたがRails5でCoffeeScript が標準サポートされてました。Rails6はwebpackが入ってきてそれなりにまだフロントも書いてましたが7系でwebpackが剝がされて「フロントどうするかな」で「reactだな」という流れがWebアプリ開発者界隈ではそれなりにいたのではないでしょうかね。他のバックエンドフレームワーク事情は知らないのですが。

    話を戻します。
    TSKaigiですが来場者数も多く話題もSNSでそれなりにトピック化してたのでエンジニア界隈では結構HOTだった印象で、実際に会場にも多くの学生が来ておりました。ただカンファレンスとしてはわりと緩くてTSKaigiでPHPトークをしたという話題でプチ炎上があるとかないとか。CFP要綱を読んでもそれは頷けます。

    【TSKaigiのCFP要綱】
    トークの条件は、TSKaigi 2024と同様に「TypeScriptに関係する話題であること」、これだけです。
    以下はすべて例です。

    ・言語特性やエコシステムに関しての話題
    ・TypeScriptの言語機能
    ・Compiler API、内部実装、型の理論、いわゆる型パズル
    ・TypeScriptでの利用に特徴あるライブラリ、フレームワーク、ランタイム
    ・ベストプラクティス、アンチパターン、それらを包括する議論や問題提起
    ・エコシステムそのもの、言語そのものに関するその他なんでも
    ・多様な利用領域での活用事例、ノウハウ
    ・Webフロントエンド、バックエンドやインフラはもちろんOK
    ・スマートフォンアプリ、デスクトップアプリ、ゲーム、IoT、XR(VR, AR, MR)
    そのほか、ここに予想もしないものまで

    TypeScriptを使った開発に関する話題
    ・チーム開発、CI/CD、テスト、デバッグ、モニタリング、デプロイ、運用
    ・開発ツール、エディタ、IDE、ツールチェーン、ツールの開発、ドキュメンテーション
    ・うまくいったこと、うまくいかなかったこと

    こんな使い方もできるのか、TypeScript! という驚きを得られるような話題に出会えたら、と思っています。

    高度で専門的な話でなくても構いません。あなたの経験や気づきを、ぜひ共有してください。

    RubyKaigiとは雰囲気がだいぶ違うんだなという印象でしたが、そもそもRubyKaigiが特殊なだけと良く言われているのでTypeScriptの言語学的なセッションを期待していると歪みが起こりそうです。

    実際、トークセッションの内容の6割以上くらいは生成AIの文脈は絡んできてた感じで、それ完全にもうLLM周りの話ではないのか?ともありました。
    個人的にはLLMとの上手い付き合い方みたいな感じでも十分に学びになりましたが、純粋にオープニングキーを担当したAnthony FuさんのESLint ConfigみたいなTypeScriptエコシステムの内部仕様みたいな話を期待しているとやっぱり乖離ありです。

    発表のあったLTセッションを参考に、マイナビの内製開発におけるTypeScriptの話をしてもウケそうだなとも思いました。マイナビでもフルスタックTypeScript構成の案件やorval、OpenAPIスキーマからTypeScriptクライアントコードを生成している案件やPanda.CSSを使った案件もあるのでTSKaigiの登壇にチャレンジしていきたいですね。

    ではスポンサー枠の状況やメリットは何だろうか。
    国内最大級のTypeScriptカンファレンス「TSKaigi 2025」、 スポンサー募集中です
    TSKaigi 2025 スポンサーの一次募集終了と御礼

    資料によると、2024はオフライン+オンラインで2,400人くらいの参加だったが、今年は公式では計画段階で3,600人くらいのようでしたが、チケット完売も早かったのでオンラインの上振れ考えても、倍は見込んだとして5,000人は直接リーチはありそうです。(個人推論です)

    協賛ボードはプラチナ150万円、ゴールド100万円、シルバー50万円、ブロンズ20万円です。
    ブースやランチタイムLT枠はシルバー以上で応募可能になっており、ランチタイムLTは10分で10万円なので、登壇枠を買うなら最低60万円で可能です。
    ブースは30万円でスタートアップからレバレジーズやサイバーエージェントやdwangoやfreeeなどの社会的な知名度がある事業会社もありました。

    WEBエンジニアはカンファレンスボードをみて転職可能企業を見つけている部分もあるとは思うので、開発分野での組織的なブランド価値と求人広告周り出すよりはコスパはいいかもしれない。実際ブース出展からカジュアル面談にという経路もいくつかあるはず。
    マイナビに限って言えば組織が大きすぎてカジュアル面談とかないかもしれないがまあ方法論はいくつかあると思います。

    TypeScriptはトレンドすぎてカンファレンスに協賛しなくても新卒採用では当たり前のように興味持った学生がデジ戦に応募してくるかもしれないのですが、TSKaigiに限らず技術カンファレンスのスポンサーとかプロポーザル活動やっていきたいですね。
    (RubyKaigiとかKaigi on RailsとかGoConとか)

    ※本記事は2025年06月時点の情報です。

    著者:マイナビエンジニアブログ編集部